B級ですが、軍隊や船員経験が有るハウアーの凄みの有るアクション、笑っていても何を考えているのか解らない危険な雰囲気、首から上は貴公子風なのに体はどこを切ってもぶ厚いステーキになりそうな物凄い体格、感情が高ぶると真っ赤になって汗が滴ってくる様子と、勢力争い顕著なCIA内の渋い俳優陣、そしてメイクを落として敵役のアラブ人テロリストを嬉々として演じるユダヤ系のジーン・シモンズ等が見応えがある作品です。
しかし、ハウアーが大型のアメリカンバイクを乗り回したり、ハーモニカを吹いたり、隠れ家に備え付けたバスケットに向けてボールを投げるシーン、そしてスティーヴ・マックィーンがTV『拳銃無宿』で演じた役柄の子孫と言う設定は別に必要が無かったのではないか、と思いました。
ハウアーの持っているミステリアスなヨーロッパの香りと明らかにミスマッチです。
とてもハンサムで非常に演技が達者なハウアーですが、女性とのラブシーンを観ていると、いつ親指を両眼に押し込んで殺すかとハラハラしてしまい、逆に敵をサディスティックにイタぶるシーンのハマり具合が良すぎて、全体の雰囲気が分裂しています。
それでも、シモンズ一味が企てる大規模なテロ計画をハウアーと前記CIA陣が阻むクライマックスは手に汗を握ります。
脇役ではハウアーがフリーの賞金稼ぎに為る前の因縁の有る上司リプトンを演じたジェリー・ハーディンの嫌らしさはかなりの物です。
再DVD化ですが、特典は予告編のみです。
太って皴だらけに為る前の極めて颯爽としたハウアーが観れるので、ハウアーファンの方にはお薦めです。