まず映像が凄いです。「スローモーション+ハイスピード」な映像処理は本作でも如何なく発揮され、スタイリッシュ&スリリング&ダイナミックにスクリーンを彩ります。
ストーリーは、さまざまなドラマを内包しており重層的ですが、要は「現実世界にヒーローがいたらどうなるか」を描いた物語で、基本的には謎解きミステリー仕立てになっています。
前半は登場人物の過去やトラウマ、葛藤や転機などが時間をさいて描かれているので少し退屈するところもありますが、後半に入って、それらを描くことによって彼らの行動の意味、方向性などが明確になり、それぞれの立場や考え方が分かることになります。それにしても、上映時間2時間43分は長いですけどね。(苦笑)
また、パラレルワールド(ニクソンが大統領続投とか、ベトナム戦争でアメリカがあっさり勝利するとか)にはなっていますが、本作の舞台が1985年(更に遡る事半世紀前からの話も見せる)という事もあって、70年代80年代の名曲が使われます。ボブ・ディランの「時代は変わる」、ジャニス・ジョプリン「ミー・アンド・ボビー・マギー」、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」、ジミ・ヘンの「ウォッチ・タワー」等々。殺しのシーンでナット・キング・コールの「アンフォーゲタブル」の使い方なんか、かなり意外性あり、スタイリッシュな映像と相まってカッコ良すぎ!!
とにかくオチが凄い。凄いというか、非常に考えさせられると言うか、哲学的と言うか、よくもこのオチを持って来れたなと。そして、全編に渡ってよくぞこんなにカルトなファンが喜びそうな濃い作品を堂々と作ったと関心至極。
深読みしようとすれば、とことんできる作品になっています。
非常にマニアックで、日本では一般受けはしないでしょうね。私は、大好きですけど。(笑)