アメリカにも明治維新はあった! というのが正直な感想。
日本では「篤姫」や「新撰組」などがもてはやされている昨今、その理由の一つに、激動する時代の変化に立ち向かう人間たちの魅力が共通してるように思う。
舞台になる鉄道工事が西部開拓末期を物語っている。
ストーリーはシンプルな復讐物だが、他所では見られない、その味付けが、この映画の最大の魅力だ。
登場人物全てに物語がある。誰を主人公として捉えてもおかしくない。
チャールズ・ブロンソンが要(かなめ)だと思うが、他の役者達の色が強いせいか、クレジットが4番目になってしまうのが笑える。
クラウディア・カルディナーレの一番綺麗だった姿をカラーで観ることが出来る。
音楽はエンニオ・モリコーネ。個人的には、この映画のサントラが彼の最高傑作である。
しかし、私の周りにいる、西部劇が好きな年配者達と話しをしても、この映画の存在を知る人は皆無だ。
何故か?
それは当時の日本の宣伝会社の怠慢に他ならないと思う。
まずタイトル。
いっその事、今からでも原題どおり、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト」に直して再発したほうがいいのではないか?
ジャケットもナンセンスだ。
せっかく名優が名を連ねているのに、これでは誰が出演しているのかわからない。
吹き替えは2時間40分、全篇においてオリジナル音声に切り替わることはないからストレスを感じない。
西部劇の細部を分解してまで解説する特典までついて、2000円程度で購入できる。
流行の映画を観に劇場へ足を運ぶよりも収穫はあると断言したい。
西部劇の最高傑作は、「荒野の決闘」「明日に向かって撃て」など有名な作品が挙げられるだろうが、(中には「レッド・サン」を挙げる人も……)しかし、その行き着く先に、本作が存在するのだと切に訴えたい。