シングル・マザーや父子家庭が当たり前の時代、親子の繋がり方も変っている。父親と息子、そして父の友人。男3人で暮らす「家族」生活。また、離婚した夫の連れ子と数年ぶりに再会する“育ての母”の気持ち。「普通の家族」とは少しカタチが違うけど、とっても温かいふたつの家族の情景を描いたハートウォーミング・ストーリー二篇。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
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彼女と私は大学の同級生である。
もちろん向こうは私のことは知らない。
大学入学前にデビューしていた彼女の存在は
私のとってはセンセーショナルであった。
私は彼女の著書が出る度に買い揃え、
自分と同じように年を取っていく作家を追い続けた。
そして時に過去の著作を読み返すことにより
自分の過去をも振り返るという体験もできた。
本書は「帰るべき場所」の物語である。
確固としてあった「フツーの家族」という枠組みが崩壊した現在、
それでもなお人には「帰るべき場所」が残されているんだという
前向きの、暖かい感触が感じられた。
終始家族や、その後は血の出自にこだわった作家だった。
そのひとつの回答がこの「帰るべき場所」だったのかもしれない。
そんなメッセージを発した彼女はしかし、
一人だけの場所に去っていってしまった・・・。
並んで歩いていた伴侶を失ったような、そんな気分である。
これから暫し、彼女の著作を振り返ってみたい。
実に彼女らしい作品です。全然器用ではなくてうまく立ち回れなくて壁にぶつかって底に沈みながらも、ふと光が射し込む瞬間。そんな一瞬をつかまえている。希望は絶望につながっているものかもしれないけれど、それでもたとえ一瞬でも希望が希望のまま光り輝いているその瞬間を。
泣き笑いみたいな顔をした登場人物の向こうにもまた、同じ表情をした作者の顔があるのだろう。
「おかえりなさい」の温かさを教えてくれるこの本をありがとう。いってらっしゃい。ご冥福をお祈りします。
最近は離婚する人も増えてシングルマザーなんてめずらしくない、と... 続きを読む
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