著者自らの友人、体験から成り立っているので、ほかの評論家やライターが書くのと、まったく違う迫力と正確な情報の把握があると思います。前作に続き、ウェブ上で起こっていることを豊富にわかりやすく紹介していることは、ほかの人が紹介しているとおりです。
が、著者の力がはいるあまり、読者が誤解するんじゃないかな?と思う点があるので、屋上屋を架すのを承知でレビューを書きます。
1.オープンソースだから成功するわけではない。
オープンソースのソースが保管される場所で有名なsourceforgeやfreshmeatを調べればわかりますが、失敗、宙ぶらりんプロジェクトがほとんどです。ホットなプロジェクトはほんのひとにぎりの人々がやっているにすぎません。失敗したプロジェクトもロングテールなのです。(それでも成功プロジェクトには、すごい数のエンジニアがかかわってますけど)実力主義の中ではサラリーマン的な感覚は、抹殺されていきます。そして、オープンソースは著作権というものがビジネスにならなくなっている世界で、そこからビジネスを作るのは相当な知恵が必要です。著者も承知の上でしょうけれど、あまり書かれていないと思いました。
2.電気を使える人は世界の半分以下。
つまりインターネットを使える人は世界中ではないということを忘れてはいけないと思います。夜の地球の写真で暗いところではインターネットは使われていないのです。使われているインターネットも、ネットワークの研究ではGoogleですら、カバーできているウェブページは30%以下だという指摘もあります。さらに、Googleで検索できるということは、誰かが文字にしてウェブに登録したからで、そうでない情報はのっていません。例えば私が朝、なにを食べたか、なんて情報はないのです。この本で、Googleやウェブが世界を把握しているような認識をもってしまいそうになりますが、それは違います。注意深く読むと著者もそんなことはいってません。
3.ウェブでご飯は食べられない。
インターネットを流通するものは「情報」です。表現はパソコン上でしかありません。インターネットの上を食物などは直接流れません。著者がおっしゃるとおり「ネットと物質のはざまで巨大なビジネス」が起きることでしょう。それがもっとも重要なことであり、ウェブだけに注目してしまうとせっかくの著者が指摘している大事なことを見逃すと思います。
以上、少しだけ著者と似たような境遇にいるものからのコメントでした。