もはや、インターネットを使っている人も使ってない人もインターネットという存在抜きにしては社会を語れない時代になっている。直接かかわっている人も、かかわってない人も「インターネット」が何であり何をもたらしているのか?を体系的に理解し認識するためにこれはもってこいの教科書だ。これは単に技術の話をしているわけじゃない、インターネットがリアルな現実にいかにして浸透し融合し変革を起こしているのか、バランスよく流れをもって理解できる良著である。
・第一章「多様化する世界」は、まさに今大変革が起きようとする背景となるデバイスについての解説が網羅的になされている。インターネットを活用しているユーザであれば既知のことが多く物足りないかもしれない。が「網羅的」であるという意味でも非常に重要な土台となっている。
・第二章「雲の彼方」は、「あちら側」の話である。インターネットを使いこなしているユーザでも、技術的な背景を含め「あちら側」でどういう革命が起きているのかを理解しているユーザはそれほど多くはないはずだが、専門家でなくても使っていれば「なるほど、こういうふうに実現しているか!」のイメージが浮かぶように解説されている。
・第三章「知と我々自身の変化」は、この1章、2章の技術的な背景が実現されていることによって「どのような情報変革が起きているか」に言及している。情報変革、集合知については各論的な説明は今までにも為されてきているが、このような流れと積み上げによる解説は、非常に力強くわかり易い。
・第四章「パワーシフト」では、これらのインターネットテクノロジーが実現したことが、社会そのものを変革するまでに至る流れについての解説である。(ここが森氏の本領発揮!)
日本は今「第三の開国」をこのインターネットによって迫られていると言われている。この本の読者のそれぞれが、個人の生活も社会も間違いなく変わっていくことが確信でき、「これからの自分個人のあり方」をぼんやりでも明確にでも絵に描いてもらえることができれば、この本でのゴールであると思う。