著者は京大霊長研の教授だが、霊長類学者としての知見は最初のほうに少しだけ、あとはタイトルから察せられるように俗流若者批判、現代社会批判を書き連ねた書である。著者が事実として述べていることには同意しかねることが多く、論理も強引な箇所が目立つ。著者に言わせれば、少子化はケータイ代が高いせいらしいし、旅客機のパイロットは訓練で失敗が許されないそうだ(フライトシミュレータをご存じないのか?)。さらに全体としても、何が主張したいのかが不明確という印象を受けた。
冒頭に書いてあった、人間が他者から注目を集めることが喜びという指摘はその通りのように思うが、他ならぬ著者こそ俗受けする本で社会的に注目を集める心地よさにハマってしまっているのではないか。自省を促したい。