読みやすさの理由の1つは、そのユニークさにある。「我々製作者はウェブページを『卓越した著作物』だと思っているが、ユーザーから見た場合、これらは『時速100キロで疾走する車の窓から見る看板』というほうが実情に近い」という表現は、制作側がどんなに細かなところに配慮してページを作っても、見る側は斜め読みをしてすぐに別のページへ飛んでいってしまうという実情を的確に表している。制作者側が、インパクトの強い、ぱっと見てわかるページを作るために最大限の努力をしなければならないということをあらためて考えさせられる。
また、本書では箇条書きが多用されている。著者が何らかの結論を述べるとき、理由を必ず箇条書きにし、その解説を数行ずつ加えるという方針を貫いている。見やすいので、結論とその理由がはっきり理解できる。
本書は、ユーザーの立場に立ったウェブユーザビリティについて、制作者側が今まで考えたこともなかったような事実を考えるきっかけとなるに違いない。今までウェブ制作にかかわってきた人も、「ウェブユーザビリティ」という言葉を初めて知った人も、気軽に読み進められるおすすめの1冊である。(上野祥子)
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