ウェブ進化論でおなじみ梅田望夫氏、待望の新刊。今回はMITのオープンエデュケーションを推進した飯吉透氏との対談形式。
米国の大学教育を中心にWEBによってもたらされた変革を紹介し、そしてそれらがいかに個をエンパワーメントする装置になっているかということを構造化して説明している。これらの内容は、いつもながら勇気づけられる内容である。ただし、”ウェブ進化論”のときには、まだ遠い場所で起こっていて、いずれそんな時代になるんだろうなと漠然と感じていたことが、今やソーシャルメディアの加速化により、身の回りで確実に実感できるレベルまで来ており、多少の焦りもおぼえる。例えば、昨今のサンデル教授の”正義”をはじめとする、政治哲学ブームも、遠からずこのようなオープンエデュケーションの影響を受けてのことであろう。
時代は検索エンジンの時代から、ソーシャルメディアへと大きくシフトしている。ただし、ソーシャルメディア自体はあくまでも増幅装置にすぎず、無か有をつくりだすものではない。何よりも大切なのは、ソーシャルメディアの真ん中で、何を思い、どういう態度をとるのかだ。”世界をより良い場所にしていこう”と本気で思うこと、そして”知と情報”に対してオープンな態度を取ること、という主張は、メディアがどのように変わろうとも不変であり本質的だ。
これからも社会における格差というのは残っていくだろう。しかし、それは貧富の差や地域の差ではなくモチベーションの格差にすぎず、お金がない、時間がない、という理由はもはや存在しないのだ。
個人的にも、日々実感するのが、ソーシャルメディアを突き詰めていくと必ず英語の壁にぶつかるということだ。英語で学ぶために英語を学ぶことの必要性は、毎日のように感じている。この問題に対して、何もアクションをおこさない言い訳は残されていない。と同時に、腰をあげればいくらでも可能性はある。厳しくもあり、優しくもある世の中だ。