この本を買ったきっかけは、ちょっと不純。メルマガで新刊案内の来た日が、ちょうど仕事で原稿を考えている最中で、何かヒントになればいいなと思ったから。著者はたぶん日本で一番有名なT&G(テイクアンドギヴ・ニーズ)のウェディングプランナー・有賀明美さん。有賀さんとT&Gのプランナーたちが手がけた結婚式の、まるで“奇跡”のような、実話が12の物語として綴られた、ウェディングプランナーのバイブルとも言える一冊。帯の“涙止まらない。”のコピーは決してウソではありません。中でも、私が特に心揺さぶられたのは、娘が子どもの頃、いじめにあっていたときのことを結婚式で話した父と娘の「優しい記憶」と、末期がんの父親になんとか花嫁姿を見せたいと病室で結婚式をしようとする「奇跡の青空」の2つ。ちょっと涙もろい人なら絶対涙することまちがいなし! 過剰気味な演出や“サプライズ”にあふれた最近の結婚式に眉をひそめていた人も、きっと結婚式の大切さを再認識することでしょう。ただ、少しだけ不安なのは、魔法の時間はやがて醒めるときが訪れることと、これ以上ないほどの幸せの絶頂は、ふたりにとってゴールではなく、スタートであるのだということ。この本の物語はとてもすばらしいのだけど、私はやっぱり結婚式までよりも、結婚してからのふたりがいくつ幸せな物語を紡ぐかというほうが大切だと思う。