最近は、新型インフルエンザの脅威により、インフルエンザ・ウイルスの発生メカニズムや、その予防・対処法に関して、様々な本が出ている。しかし、「そもそもウイルスとは何か」や「細菌とはどう違うか」などを、素人にもわかるように、過不足なく解説した本は意外に少ないのではないかと思う。
本書は、(a)ウイルスの発見の歴史、(b)ウイルスそのものの構造や性質、(c)その後の遺伝子研究への貢献、などについて、学問的な観点からしっかりと解説を加えている。図や表もふんだんに盛り込まれている。私は、この本を読んで、「内容がとても充実している」、「何と丁寧にわかりやすく書かれた本だろう」と感心した。
また、本書は、相当部分がDNAやRNAなど遺伝子に関する説明であり、その面でもたいへん参考になる。(ただし、ある程度専門的なので、「DNAとRNAとはどう違うんだっけ?」というような読者では、ついていくのがしんどいと思います。)
とても充実した本なので、ウイルスや遺伝子に興味のある人や、理系志望の高校生などは、ぜひ読むべき良書と思います。