アンドレ・アガシ、マリー・ピエルスら一流選手のコーチとして、伸び悩んでいた彼らの戦績を大幅にアップさせた名コーチブラッド・ギルバート。現在もアメリカの新鋭アンディ・ロディックの指導に当たっています。本書は彼らしい、従来の技術論に偏ったテニス論とは一線を画したまさに戦術のための書。テニス界の「孫子」です。
ジミー・コナーズに勝つ方法、ボリス・ベッカーに勝つ方法などが、自分の経験として紹介されたり、大事なポイントを確実に取るためにどのようなアイテムを準備するのか(著者の場合はキャンディーバーなどがラッキーアイテムだったらしい)、あるいは自分が不利になってきたときにどのようにして状況を打破するのか、などがきわめて具体的に、しかも軽妙に語られます。
彼のメッセージは明確です。「スーパーショットは要らない、相手がいやがることを徹底的にやれ」 日本のテニス指導は伝統的にいかに技術を身につけさせるかにこだわり続けてきました。本書を読めば、ほんの少し考え方を変えるだけで格段に「何が何でも勝つテニス」ができることがすんなり理解できるでしょう。テニスプレイヤーにはもちろんですが、テニス指導者(インストラクター、部活の顧問など)にも必読の書と言えます。