冒頭、ひとつの家族が命を狙われるが辛くも逃げる。しかし組織の裏切りによる危機から家族を守らなければならない。父親は証言と引き換えに組織の攻撃から保護をしてもらう「証人保護プログラム」のサービスを契約する部分がサスペンスです。あとのほとんどは家族劇、もともと普通でなかった家族がさらに壊れ、それぞれが苦悩し家族のありようを模索していく様子が密室を舞台に描かれています。主人公ビルが当初は豪気でボス格、その存在の大きさを誇示していたが、保護施設の密室で向き合ううち、彼の家族にことごとく否定され攻撃を受け、段々と小さく情けないほどに哀しい存在になっていく。その様は見ていてちょっとつらくなりました。ドラマにありがちですが、さっきまで対立していたのに一発殴られたからってドラマチックには人って変わりませんよね、普通。難しいけどそんななかで余計な言葉を省いて心の移り変わりを目や、声で演じているそれはまさにトム・サイズモアの真骨頂ではないかと思います。思春期のむずかしい年頃にある普通の高校生らしく親に反発する息子を演じたショーン・ハトシーも、長ったらしい言い訳とか心の内を語るような涙涙の部分はなくごく自然に受け止められました。 担当官を演じるフォレスト・ウィテカーの存在があの「天下無敵」トム・サイズモアより強い立場にあって、見た目も雰囲気もトムより大きくみえるなど、いろんな面で面白い映画です。