チャールズの孫がまとめたイームズ夫妻の伝記、というより、ふたり
に関する証言集、資料集、記録集のような本でした。でも、客観的な
視点から書かれた硬い研究書ではありません。著者が孫(しかも現在
のイームズ・オフィスの主宰者)なだけに、身内の愛情をたっぷりと
注ぎこんで、イームズの多岐にわたる仕事(椅子、展覧会、写真、お
もちゃ、映画)から、ふたりの人となり、仕事への取り組み方、彼ら
とともに働いた人々の様子にいたるまで、イームズのすべてが大変細
やかに、そして熱く描かれています。チャールズとレイの人間的な魅
力がひしひしと伝わってくる一冊、と言えましょうか(ラストはちょ
っと泣けます)。建築やデザインを専門としない私にとっても、社会
のなかで何らかの仕事に関わりつづけること、その姿勢、熱意、力、
技について、学ぶところの多い本でした。読後にイームズの展覧会を
見にいったので、この本に登場する人たちのインタビュー・ビデオも
ばっちり楽しめました。ページの角を活用したパラパラ写真もかわい
いです。