クロスオーバー&フュージョン誌として定評のある「ADRIB」にて本多俊之氏はデビュー当時から人気が高く、1stアルバム『バーニング・ウィブ』2nd『オパ!コン・デウス』は共に同誌主催「日本のクロスオーバー・ベストレコード」に選ばれていました。
そして、この作品はその勢いに乗って1980年初頭に発表されたサードアルバムです。 一向にCD化されない為に僕はアナログ盤をメタルカセットやMDなどに落としてドライブや旅行で聴き続けてきましたが、発売25年目にしてようやくCD化が実現しました。
待ってました!
盟友ジェリー・ヘイ率いるブラスセクションをバックにしたさわやかな「Sunny-Side Up」、フルートに持ち替えてのラテン風「Samba Street」、ソプラノサックスのメロディーが優しいバラード「Loving You Slowly」、和田アキラのソロテクニックに圧倒されるハイテンション・ナンバー「Heart on the Highway」、ちょっとブルージーなタイトル曲など、曲のレベルは四半世紀経た今なお高く、決して飽きさせません。 (ドラムスの奥平真吾が当時高校生だった事もスゴイ!)
異色なのはストリングスと(味付け程度の)ピアノだけのラストナンバー「Autumn Dream」で、これは当時放送されたスペシャルドラマ「歴史の涙」のエンドテーマになったものです。 たしか昭和20年8月15日の天皇陛下による“玉音放送”を放送するまでの関係者とそれを阻止しようとする軍人たちとの攻防の物語だったように記憶しています。
現在の本多氏はジャズミュージシャンというより劇伴作曲家のイメージが強くなっているので、いつの日かまた純粋に音楽で楽しませて欲しいものです。