基本的なところから内容が一部不正確です。兵器好きの一般人に概要を知ってもらうための入門書の位置づけなのでしょうが、改訂しなければ資料としての価値は低いです。
たとえばスタンダードミサイル3のページ(P.72)の
「最終的に3段目のノーズコーンが分離し、そのノーズコーンが2つに割れ、中からキネティック弾頭(以下、KW)と呼ばれる、衝突のための機械が分離します」
は、正確には「第3段モータの1パルス目燃焼後にノーズコーンを脱頭し、2パルス目完了後にKWを分離する」の順番となります。また現在配備されているSM-3 block 1Aは2つに割れないタイプのノーズコーンです。
また「SM-3ブロックIIAでは、中略3段目のロケットと2段目の姿勢制御システムも日本が開発します。」
は、「2段目のロケットと3段目のロケットも、姿勢制御システムを含めて日本が開発します。」です。
本文に出てくる単語も一般に使われている単語と異なるものがあり違和感を覚えます。
防衛省のHPやその他の資料を見れば簡単にわかることです。
それから韓国のイージス艦(セジョンデワン級)を紹介しているP.56では
「セジョンデワンは、ミサイルの搭載数が世界でもっとも多く、この点でいえば、世界最強のイージス艦になります。中略韓国は日本にない巡航ミサイルをもっていることになります。」と、さも韓国のイージス艦が強力であると言いたげですが、そもそも国によってイージス艦の役目・戦略が異なるのに単なるミサイル搭載数だけで兵力の優劣を語るのは稚拙だと思います。日本に巡航ミサイルがないのは、自衛隊が戦力投射を目的とする装備を持つつもりがないからでしょう。また単に防空力の観点から見ても、弾道ミサイル防衛能力を日米のイージス艦が持ち、韓国のイージス艦が持っていないことについて筆者はどう考えているのでしょう。もう少しまじめにまとめていただきたい。