『フェローズ』誌内でも存在感の抜きん出ていた偉才、
ようやくの初単行本ですね。待ってました。
とにかく絵が圧倒的に上手い。
絵本の童話のような世界観を見事に描き出しています。
「線」でなく「光」で世界を捉えており、しかしながら
漫画――インクという極めて限定されたツールを最大限に生かし、
ひとつひとつの線の表情や、カケアミなどの技術を的確に用い、
明暗の配置もどのページも大変見事なバランスで、
美しい画面構成のその抜かり無さに舌をまく。
絵の上手い漫画家さんの中にも、
カラーのみ達者な人、モノクロのみ達者な人、
どちらか一方しか魅力を出し切れない“惜しい”人も多いが、
この方はどちらの場合もスタイルが損なわれておらず、
表紙が気になった方は中身も決してガッカリはしないでしょう。
装丁も手間とお金が掛かっていてこだわりを感じます。
ロゴデザインから紙質、カバー裏から果てはアンケート葉書まで
独特の世界観が凝縮されており、作り手の情熱に感服。
あえて言えば、
鳩山郁子さんや岩岡ヒサエさんに近いでしょうか。