ある日のテーマは「愛国心」だ。若者のサッカー熱や朝鮮民主主義人民共和国への国民感情を巡る報道、教科書問題などを取り上げつつ、自らの心の底に潜む本音と、世間で言う「愛国心」との距離を詰めていく。結論として、愛国心の大部分は過剰な自尊心であって、他国に対して謙虚になれないのは傲慢だと綴る。「お世辞」と題した日記では、詐欺商法に引っかかる人が後を絶たない現状を嘆きつつ、「長年、お世辞を聞いて暮らしてきた人間は、お世辞なしで生きていくことができなくなる」と分析し、打つ手がないとさじを投げてしまう。そのほか、選挙、回転寿司、秋葉原、ネット世界に登場した新商品などについて、主観と客観を交錯させつつ論評を展開していく。
(日経ビジネス 2005/10/17 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
主な日記タイトルから
ガルベス・ナカタ・オブチさん・イギー・マグワイヤ・クロサワ・貴乃花・和歌山カレー事件・ベイスターズ・性同一性障害・禁酒・ヴェルディ・ヒロスエ・ディラン・不審船・ペトロビッチ・都知事・君が代・タイガース・早稲田・筑紫さん・源氏物語・アレフ・おせち・神・記者クラブ・歯医者・トルシエ・神の国・赤羽・運動会・康夫ちゃん・警察官・愛国心・NHK・関西弁・iPod・回転寿司・リフォーム詐欺・親戚・ナンシー関・ストーンズ・インスタントカーマ・島田紳助・郵政公社・ナベツネ・赤塚不二夫・選挙
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「金目当てでない仕事は何でこんなに精が出るのだろう」と、ご本人も書いているが(違う言い回しだったかもしれないが、大意そういうこと)、義務にしばられないでやりたいようにやれるというのが、性に合ったのだろう。
世の中に対して斜に構えつつ、でも意志が弱く引きこもりの自分を十二分に意識し、しかしなおかつ守るべき矜持の一線は決して譲らないという、本来文学者に求められる資質が、ここには濃厚に息づいている。
政治家になったり、知事になったり(同じか)、ワイドショーなんぞに出てお追従笑いをしながら愚にもつかないコメントをしたりしている最近のブンガクシャ先生たちを見るにつけ、小田嶋氏のスタンスの貴重さを思う。
フィリップ・トルシエ元日本代表監督や元巨人のガルベス投手との脳内妄想会話など、腹がよじれる一方で、「伸び盛りの相撲取りは、いつの時代も、自分が何者なのかを判じかねているようなきょとんとした表情で勝ち進んでいく。おそらく、自分が何者であるかを知ったとき、力士は成長をやめるのだろう。」というような視点にハッとさせられる。
唯一の心配は、タダのつもりで書いていた日記が単行本になってしまったことで、今も続くご本人の日記(ブログ)が、つまらなくなるのではないかということだが、大丈夫かな?
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