タイトルの「イン・ハー・シューズ」とは、上手くつけたものだと思う。
他人の素敵な靴を履いて装っても、身の丈に合わない、自分に合わない背伸びした靴を履けば、転んだり靴ずれを起こすもの。
この映画は、二人の姉妹が主人公。
姉のローズは、フィラデルフィアの弁護士、頭脳明晰だが自分の容姿に自信がなく、恋愛にも奥手の靴のコレクター。
妹のマギー(キャメロン・ディアス)は、ルックス抜群、ボディーもグラマラス、恋愛、性関係も豊富だが、学習障害もあり定職に就かず、姉達に依存する生活。
二人それぞれが、お互いにコンプレックスを抱きながらも、幼時に母親を失った寂しさを埋めあって、寄り添って生きてきた。
欧米人にとって、靴は装いとしても、生活する上でも一番大切な物。
各シーンごとに「靴」が、非常に重要な役割を果たしている。
靴は、生き方でもあり、人生のパートナーの象徴でもある。
互いに靴を交換してみて、初めて相手の痛みと辛さ、気持ちもわかるもの。
かかとの低い履きなれた自分のスニーカーで、マギーが降り立つシーンは、自立の予感を象徴していた。
また、姉のローズが履く片方のかかとが折れたピン・ヒールには、不安定な精神を表現しているかのよう。
大女優S・マクレーンが、祖母役で出演しているが、ナチュラルな演技で素敵。
キャメロン・ディアスの見事なスタイルも、充分堪能できる。
「L.Aコンフィデンシャル」のカーティス・ハンソン監督の女性映画の秀作。
少し長尺だが、姉妹、女性ならではの、心の機微を丁寧に描いている作品。
特典映像にケア施設などのメイキングもあるので、お手頃だし一見の価値はあると思う。