次々と目先を変えた作品をやつぎばやに世に送り出し続ける三池監督の引き出しの多さにはまったくもって驚かされる。ついこないだまで鳥取で撮ったお祭り騒ぎの夏休み超娯楽大作だのメジャー向けケータイホラーだのがヒットしていたかと思ったら今度は思いっきりアングラな、あちこちで放送禁止になるのも納得の激ヤバ映像満載のホラーである。
元々一部の三池作品においては、常軌を逸した暴力や残虐なシーンはほとんどお約束といっていいくらいだが、この「インプリント ぼっけぇきょうてぇ」ではフリークス、近親相姦、目を覆うような拷問シーンなどキワモノてんこ盛りという感じで、どこか場末の見世物小屋を思わせるいかがわしさと猥雑さが全編漂っている。原作の、岡山の土民の言葉が持つ湿度の高いコワさ、まがまがしさこそないものの、全編英語で撮っているのが妙な効果を生み、「女郎と馬しかいない島」という設定とあいまって一種幻想的な「どこでもない場所」が出来上がっている。
コワいと言えば、原作者の岩井志麻子が「針を刺す女」の役で登場しているのだが、これがシロウトとはとても思えない堂に入った(?)エキセントリックさで、コワいといえばこの人が
いちばんコワかった。
例の、ケータイを主役にした王道ホラーなどとは一線を画した作品で(個人的にはこちらの「インプリント」の方がより三池監督らしい出来上がりとは思うが)コワいもの好き、というよりキワモノ好きの諸氏におすすめの一品です。