実は発売直後に読んだのにレビューを書かないでいるうち、新型インフルエンザの話題が連日メディアに取り上げられるようになって来ました。私は業界人のはしくれですので、一通りの基礎知識はありましたが、「親にもわかるように心掛けて書いた」という著者の努力が十分に効を奏し、読みやすい本に出来上がっていると感じました。著者の研究者としての履歴、香港のH5N1型流行以来の新型インフルエンザ研究の最前線、世界が・そして日本がさらされている新型インフルエンザ大流行への対策が果たして間に合うのかという、プロとしての焦燥感が、過不足なく述べられ、好感が持てました。科学読み物としても面白いですが、このようなホットかつデリケートな問題に付いて、現役バリバリの研究者がこの時期にこのような一般向けの本を書いて下さったこと自体にはかり知れない意義があります。臨床・行政のプロの基礎知識整理にもタイムリーで手頃な本です。皆さん是非読んで、パニックに陥ることなく、それぞれの立場で備えを固めましょう。