関わりのある防災NPOのイベントに出ていただいた縁で古屋さんを読み始めたのですが、これは思いがけない傑作。 石川淳も「至福千年」でテーマにした、最も穢れたものと聖なるものの一致が描かれています。 これでもか、という残酷描写が続くのですが、途中から出てくるワルド派の女性説教師(カトリックの考えでは、女性聖職者は異端)が魅力的に描かれて、救いに。少し風向きが変わります。 最後のエティエンヌ放浪のくだりは圧巻。表面は流血だらけでグロい姿なのですが、光を背負った神々しい姿にしか見えません。 そして最後の数ページがとても美しい。古屋さんの新境地ですね。 個人的には、陰惨な戦争を繰り広げる人間の背景に描かれた、美しい森と飛び交う鳥、蝶「人間がどんなに/戦いに明け暮れて/いようが/この世界は/美しいのです」のコマが一番印象的でした。