売り文句にミステリーと書かれていますが、どっちかと言うと紀行物でありそして哲学的な物語でミステリーと言うよりも「ヘンゼルとグレーテル」のように手がかりを辿っていく寓話的な物語です。
原作は文豪アントニオ・タブッキの同名小説です。
フランス映画界の重鎮アラン・コルノーは主にフィルム・ノワールで有名ですが今回は一転して重厚かつ瞑想的な造りを目指しており、全篇を通して描かれるインドのたゆたうような独特な雰囲気はとても神秘的で
見ている者を不思議な気持ちにさせてくれます。
そして出来不出来(笑)で有名なアングラードの抑え目な演技が物語にマッチしていてとても素晴らしいです(いつもこんな風にしてくれればいいのに・・・・)。
私的には寝台列車で同席するユダヤ人の医者が語る「輪廻転生」のお話しが印象的でした。
小説は読んだことは無いのですがどうやら映画と同じで明確な答えは用意されておらず人によっては「退屈な上最後は肩透かし」と捉えられそうですが、むしろ答えを感覚的にし不明瞭、抽象的にすることで独特な余韻と響きを残すことに
成功していると思います。
インドのまばゆい風景を感じたい時には勿論、たまにはゆったりとした気分になって「答えの無い問題」と静かに向き合いたいと思うときには最適な映画です。