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インド哲学七つの難問 (講談社選書メチエ)
 
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インド哲学七つの難問 (講談社選書メチエ) [単行本(ソフトカバー)]

宮元 啓一
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

西洋哲学とは一味ちがいます。

「有る」とは何か?
「無い」とは何か?
本当の「自己」とは何か?
ことば、存在、自己、名付け、因果、知識、無我……。
インド哲学のもっとも根本的な七つの問いを考える。

内容(「BOOK」データベースより)

「有る」とは何か?「無い」とは何か?本当の「自己」とは何か?ことば、存在、自己、名付け、因果、知識、無我…。インド哲学のもっとも根本的な七つの問いを考える。

登録情報

  • 単行本(ソフトカバー): 224ページ
  • 出版社: 講談社 (2002/11/8)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062582554
  • ISBN-13: 978-4062582551
  • 発売日: 2002/11/8
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本(ソフトカバー)|Amazonが確認した購入
哲学における失われたミッシングリンクとして、今後重要となるであろう仏教以外のインド哲学(ヒンドゥー教側)の紹介である。
類書よりも本書をわかりやすいものにしている、実在論のヒンドゥー教側と唯名論の仏教側の論争という構図は、著者も言うようにおおざっぱな位置づけとしては有効だろう。
それは中国において老子と孔子が、西欧哲学においてスピノザとカントがあるようなものだ。
ただ、ヒンドゥー側に立つ著者には少し「外道」としてのコンプレックスがあり、それが参考文献の紹介の少なさに加えて本書の欠点となってしまっている。しかし、それを補って余ある貴重な論考でもある。
特に、前作『牛は実在するのだ』にあったものからさらに推敲されたインド哲学相関年譜(p24)は役に立つ。
本書においては著者が学問的飛翔を試みている部分が貴重だが、研究上より正確を期すなら他の参考文献(ヒンドゥー教側と仏教側との論争については本書には記述が少ないので中公新書の類書がよい)に本書以降当たることが望ましい。
なお、石飛道子氏のHPに本書に対する批評が掲載されていることを追記しておく。

追記:インド哲学相関年譜(宮元啓一『インド哲学七つの難問』24頁を参照、追加記述した。)

               <ヴェーダの宗教>
               最初期ウパニシャッド文献(前8〜前7)、
            ヤージュニャヴァルキヤ(観念論)vs.ウッダーラカ・アールニ(実在論)=「有」の哲学
前8               |
     沙門たちの宗教     |____________________________☆文法学派          
前6 <ジャイナ教 <◯仏教>  |                             |
      など>(前6〜前5)<ヒンドゥー教>                       |
前4         |     |_____________◯ヴァイシェーシカ学派(前2) パーニニ(前4)
           |     |              カナーダ『ヴァイシェーシカ  |
前2       『ミリンダ王  |____☆ミーマーンサー学派    スートラ(定句集)』 パタンジャリ
   <大乗仏教> の問い』   |           |         (前2〜後1) |(前2〜前1)
西暦紀元   |   |(前2) | 『ミーマーンサースートラ』(1〜2)     |    |
       |   |     |___________|____◯ニヤーヤ学派 |    |  
 2 ナーガールジ  |     |_☆ヴェーダ     |『ニヤーヤスートラ』  |    |   
   ュナ、龍樹(2)|     |  ーンタ学派    |      (2〜3) |    |     
       |   |     |__|________|_______|____|____|_サーンキヤ学派
 4 <ヴァスバンドゥ、世親>  シ 『ブラフマ  シャバラス      |    |    |   |___ヨーガ学派
       |   |(5)  ャ  スートラ』 ヴァーミン ヴァーツヤーヤナ チャンドラ |『カーリカー』『ヨーガ
    ディグナーガ、|     ク  |(4)    (4) 『ニヤーヤ(5) マティ、慧月|   |(4)スートラ』
 6  陳那(6)  |     テ  |        |  バーシヤ』|『十句義論』(5)|   |   |  (4)
       |   |     ィ  |      __|   ウッディヨー   |    バルト |   ヴィヤーサ 
     ダルマキ  |     時  |     |  |   タカラ(6) プラシャス  リハリ |   |  (5)
 8   ールティ  |     代  シャンカラ |クマーリラ     |  タパーダ(6)(6) |   |  
      (7)  |     |  |(8)  |  |(8)    |  『バーシヤ』 |   |   |
       |   |     |  |   プラーバ |       |____|    |   |   |
       |   |     |  |   ータカラ |       ウダヤナ(10)  |   |   |
       |   |     |  |   (8)  |          |      |   |   |
       |   |     |  |        |    アンナンバッタ(15)  |   |   |
       |   |     |  |        |  ?『マニカナ』(17?)   |   |   | 
       |   |     |  |        |          |      |   |   |
       |   |     |<一元論>     <___多____元____論____>   <二元論> 
       <___唯___名___論__>     <___実____在____論____>   <唯名論or実在論?>

☆=語は常住、『顕現論者』、
◯=語は人為的、『生起論者』、中村元選集第25巻p418より
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科学の世界では「効果のあるものは真理である」とするプラグマティズムで皆が利用し始め、後にその有用性の真義が明らかとなった例がある。ノーベル賞を受賞したリチャード・ファインマン博士の経路積分がその代表例で、軽元素である水素原子核の量子現象をうまく記述していることが後になって解明されたのである。
宗教の世界では、ブッダ釈尊の教法が同様な姿勢を取っている。そのことを釈尊は『Simsapa Sutta』(漢訳雑阿含経「申恕林経」)で次のように端的に述べている。
ブッダはシンシャパーの木立ですわっていたとき、何人かの僧に話しかけたことがある。
数枚の木の葉を手にとると、ブッダは言った。
『私の手の中の葉と、この木に茂る葉とでは、どちらの枚数が多いだろうか。』
「木に茂る葉のほうがずっとたくさんあります。」 と、僧たちは答えた。
『私が悟り、皆に解き明かした真理と、まだ説いたことがない真理とを比べても、同じことが言える。私が説いたことのないものは、修行生活の役に立たず、精神的向上の助けとならない。私が解き明かしたのは、苦の本質(苦・集)と、いかにしてそれを克服するか(滅・道)であった。それこそ涅槃に導く真理である。』

さて、著者は「輪廻(苦諦)のメカニズム」と「解脱(滅諦)のメカニズム」を定式化した。苦諦と滅諦は法則を意味する第一義諦(勝義諦、真諦)に相当する。一方、「様々な輪廻のプロセス(集諦)」と「様々な解脱のプロセス(道諦)」は上記法則を様々な個性や成長段階の凡夫に対応させた世俗諦に相当する。従って、四聖諦の本命は集諦と道諦なのである。釈尊の教法を釈尊の論理に基づいて明らかにした道諦のプロセスは次のように表現されるのである。
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菩提分:慧1  ⇒  信  ⇒     戒    ⇒   勤  ⇒  念   ⇒   定    ⇒  慧2
道 諦:身1(色) ⇒感情1(受) ⇒  心1(想)  ⇒ 感情2(受) ⇒ 身2(色) ⇒ 心2(行・識) ⇒ 無明
八正道:正見 ⇒ 正思惟 ⇒ 正語・正業・正命 ⇒ 正精進 ⇒  正念  ⇒  正定  ⇒  正見
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