これはいい本です。中身は題名の通りで、お釈迦様在世時の仏教教団の様子から説き起こし、それがどのように変遷して現代のスリランカの仏教事情にまで至ったか、それが概観できます。
いかにも学者的なわかりにくい表現がなきにしもあらずですが、現代のスリランカの仏教事情などは実にリアルに書いてあります。例えば、ダルマパーラから始まった(ブラヴァツキー夫人から始まった?)改革仏教は都市に住む知識人層の在家仏教であって、村のお寺のお坊さん達の仏教とでは大分ちがうものであるということなど、本書を読んで初めてわかるようなことがたくさん出てきます。
SF作家アーサー・C・クラークが高く評価したスリランカの仏教。ミャンマーやタイと共に、お釈迦様在世時の仏教がおそらくは最も純粋な形で残っているだろうスリランカの仏教。そのスリランカで出家しようと考えている人は(そんな人がどれだけいるか知りませんが)、必読書でしょう。