新聞の書評で「インドで日本の漫画を翻訳出版。しかもその作品は平田弘史の“血だるま剣法”」と紹介されていた。わたしは平田弘史の漫画のファンなのだが、驚きのあまり、そのまま書店へダッシュ!!
著者がインドでの出版にこだわったマンガ家平田弘史は、貸本マンガ時代からマンガ(劇画)を書き続けている数少ない漫画家の一人だ。しかも題材とするのは武士の世界一本。そして、「血だるま剣法」は、貸本マンガとして昭和37年に刊行されたものの、部落開放同盟の抗議を受け、回収・廃棄に追い込まれた作品だ。
そして、04年に青林工藝舎から、そうなるに至った経緯とその次代背景、復刻の意義、当時平田弘史が主張したかったであろうことを詳細に記した監修者呉智英の解説と「血だるま剣法」のリメイク作である「おのれらに告ぐ」を併載するかたちで復刻されるまでは、著者の初期の代表作といわれながら幻の作品と呼ばれていた作品だ。
そんな、我が国においてもその扱いがデリケートにならざるを得ない作品(しかもオリジナル作の方)をインドで出版しようとする考えがオカシイ。でも意味がよくわからない。漠然と、インドに存在するカースト制度とリンクさせたのだろうかとも考えてみたのだがやっぱりよくわからない。
巻末の対談で、作者の山松ゆうきちは「血だるま剣法」をインドで出版しようとした動機を対談者から問われたり推測されたりしているのだが、結局のところ、その答えは「面白かったから」。
そんな、とぼけまくりの人物による“海外起業ノンフィクションコミック(オビより)。面白すぎて腹が捩れます。