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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
家族の愛と再生の物語,
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レビュー対象商品: イントゥルーダー (文春文庫) (文庫)
高嶋哲夫さんの小説と教育・学校問題についての論稿は一通り読んでいるのですが、「どれか一作を」ということになると、僕はサントリーミステリー大賞・読者賞の受賞作『イントゥルーダー』を挙げます。かつて原子力の研究者であった高嶋さんには、科学や技術に携わる者への深い愛情と、人間が科学や技術を過信してはならないという強い信念の両方があるようで、物語の中でもその二つの思いが表現されています。 また、高嶋さんの書く小説の主人公の多くは高い職業意識に燃えた男性であることが多いのですが、それ故にいったんは家庭に揺らぎが生じてしまうものの、やがてお互いを理解し、信頼し合うことによって家族が再生されるという展開が多いです。 『イントゥルーダー』にもこうした高嶋さんのこだわりが随所に出てくるのですが、どんでん返しの続くスリリングなストーリー展開の中で最初から最後まで一気に読者を引っ張っていくエンターテーメント作家としての力量も相当なもので、その後の高嶋さんのご活躍を僕に確信させた素晴らしい作品でした。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
無機質的な小説内容,
By akira (東広島市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: イントゥルーダー (文春文庫) (文庫)
この小説には所謂「章」がなく、その代わり一日単位で物語が進んでいく面白い構成となっている。その一日がとても中身の濃い作品となっていて、読み手を引き付る要素にも感じられる。物語はあるコンピュータ開発者の主人公に突然息子がいたと知らされたことから、この二人の関係がどのようになっているのか興味を抱かせられる。しかし、その息子は瀕死の状態であったことから謎が深まる。 一日の間にいろいろな人間が登場し、息子の周辺を巡って思わぬ展開が繰り広げられていく。 作品の中に出てくる技術的な事柄や説明などは、カタログをそのまま引っ張り出して並べているに過ぎなく、無機質的な内容に作家としての素人っぽさを感じる。 また、人間の感情表現にも深みがなく、読者をのめり込ませるだけの力が感じられない。 サントリーミステリー大賞・読者賞を受賞した作品にしては、いまから読むと内容に無機質さが感じられて、受賞内容に疑問を感じる。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
なんと中越地震の事態を予感させていたとは,
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レビュー対象商品: イントゥルーダー (文春文庫) (文庫)
読後思わず初出を見たら、1999年となっている。なんともはやこれを見て驚いた。 本作は、ITベンチャーから大企業にまで育て上げた企業パートナーの ドラマとも、コンピュータ開発にしのぎを削る企業での開発者の姿と も、また、我が子の存在を25年間も知らず生きてきた父とその子との 邂逅の運命とも、ま、いろんなように読めるでしょう。 しかし、その様々な人間、開発者、経営者、親子、夫婦、家族等々の 葛藤の、中心を作るのが原発の建設にあったとは。 中越地震は2004年だったんだ、と言う事実は、この小説の価値をいや増しにも増すものでしょう。 いやはやまいった。これはすごい。
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