登録情報
|
インディオを執拗にさいなむ胸の悪くなるような蛮行を訴えるのに言葉を失ったのでもあるのでしょうか,とても感情的な非難の言葉が単調に繰返されています。そこには侵略行為についての解釈も分析もなく,結果的にはまるで報道写真のような描写になっていると感じました。それは文章表現としてはある意味で拙いというべきものなのかもしれませんが,それが却って,悲憤に震えて絶句している司教の眉間を端的に彷彿とさせてもいます。
この本は出版当初から,スペインに対立する他国勢力などにとって様々な政治的思惑の下に繰返し利用されてきたそうです。今日それを我々がどういう視点で受け止めるのか,「なんてひどい奴等だ」と他人事のように言えるほど,現代の人類はこのような醜行から無縁でいられるような精神性を勝ち得ているのか,自問しなくてはならない思いが刻み込まれました。
|
|
|