本書はアメリカの大学等で、インテリジェンスの最も基本的なテキストとして利用されている。
その内容はインテリジェンスの組織論、プロセス、カウンター・インテリジェンス、監視の問題、
最近の改革等、テキストとして読むべきことが網羅的に扱われている。情報収集や分析論など
各論を細かく理解するのではなく、インテリジェンスの全体像を掴むための書といって良いだろう。
ただし本書はアメリカ人読者を想定して書かれているようなので、あくまでも「アメリカの」
インテリジェンスに関する概説書である。
英語版に比べるとかなり重厚な作りとなってしまったが、それでも巻末の参考文献リストは載せ
られなかったようだ(ただし慶應義塾大学出版会のウェブから閲覧可)。訳もこなれた日本語で読
みやすいが、細かなミス(?)が散見された。重箱の隅を突くようだが、例えばメイとニュースタ
ットの著作は『ハーバード流歴史活用法』として翻訳されている。今後もこのようなインテリジェ
ンスの名著が翻訳され、広く読まれることを期待したい。