ウディ・アレン監督の映画の系譜の中では、アカデミー賞受賞作「アニー・ホール」と「マンハッタン」に挟まれた、1978年制作の映画。ベルイマン監督を尊敬するあまり、いつもの、笑い、ノスタルジーやジャズの要素がないシリアスな映画を作ってみました、という感じの作品ではある。舞台もいつものニュー・ヨークの下町やマンハッタンではなく、海に面したロングアイランドの高級住宅地。ベルイマン監督が扱いそうな、老父母に訪れた危機(母がインテリア・デザイナー)とそれが子供たちに及ぼす波紋を描く。タイトル「インテリア」は室内装飾だけでなく、は登場人物たちの内心をも意味しているのは間違いない。
インテリ一族の崩壊劇+かすかに見える将来への展望というベルイマン・スタイルの踏襲を模倣と見るか、ウディ流に咀嚼してアメリカの家族に巧みに移植した作品と見るか、評価が分かれると思う。私は外面のインテリアと内面のインテリアの呼応、そしてののしり合いの場面もあるが、全体として静かなトーンでまとめたスタッフの力量を評価したい。冷涼な空気の漂う海のカットが本作を象徴している。ウディ・アレン監督の映画の中では異色の1本だが、ベルイマン監督作品の単なる模倣ではない。