この作品の前年、アレンは「アニー・ホール」でアカデミー賞監督賞・オリジナル脚本賞を受賞(「アニー・ホール」は他に作品賞・主演女優賞を獲得」)、誰もが前作を上回るコメディを期待していたが、アレンが次作に選んだのは、コメディとは対極にあるヒューマン・ドラマだった。この映画をみた当時、アメリカの観客及び批評家からは賛否両論が巻き起こっていたが、厳しい批評のほとんどは、アレンがヒューマン・ドラマを作った事に対する落胆によるものだった。
確かに、この作品はアメリカ人が好む題材では無い。イングマール・ベルイマンばりの、重い作品である。しかしながら、中流インテリ家庭の心の闇をよく捉えており、情感深い作品に仕上がっている。。
この作品の見所は、二人の女優の対比で!!あると思う。一人は、全てにおいて完璧主義を貫く、ジェラルディン・ペイジ演じる母親と、おおらかで、完璧ではないけれど、人なつっこいモーリン・ステイプルトンである。共に、後にオスカーを獲得する女優だが、このどちらかというと地味だが力強い演技力を持っている女優を使う事で、抑圧と開放を上手く表現しているのだ。
ちょうど、この作品と同一年に、イングマール・ベルイマンが「秋のソナタ」という作品を完成させた。「インテリア」と「秋のソナタ」、、どちらも母と娘の関係を描いたものだが、この2作品を見比べれば、アレンの作品が、ベルイマンのそれと同一の質を保っている事がわかる。アレンは、ヒューマンドラマの才能もあるのだ。