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インターネットと中国共産党 「人民網」体験記 (講談社文庫)
 
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インターネットと中国共産党 「人民網」体験記 (講談社文庫) [文庫]

佐藤 千歳
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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インターネットと中国共産党 「人民網」体験記 (講談社文庫) + 新しい中国人 ネットで団結する若者たち (ソフトバンク新書)
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商品の説明

内容説明

中国共産党の報道観・世論観にじかに触れた「人民日報」のインターネット部門「人民網」に派遣された女性記者の眼に映じたものは……。宇宙飛行、北京五輪、強国意識を強める社会の中で考えた清新な記録。

内容(「BOOK」データベースより)

「人民日報」のインターネット部門「人民網」に派遣された日本人新聞記者の目に映じたものは…。有人宇宙飛行の成功や北京五輪を前に高揚する大国意識。想像を絶する首都と地方の格差。そして投げつけられた「日本鬼子」の罵声。中国共産党の報道観、世論観に触れて考えた清新な記録。

登録情報

  • 文庫: 384ページ
  • 出版社: 講談社 (2009/12/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062765357
  • ISBN-13: 978-4062765350
  • 発売日: 2009/12/15
  • 商品の寸法: 15 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
 大学でマスコミ論を教えています。中国のメディア統制について文章をまとめる必要があったときに、この本はとても参考になりました。このテーマに興味のある人が最初に手に取る本としては、同書はかなりおススメです。
 
 何清漣の『中国の嘘』や焦国標の『中央宣伝部を討伐せよ』のように手厳しい告発調の作品も重要だと思いますが、中国に対して最初から特定の意図をもって構えて読むのではなく、実際に中国のメディアの世界で何がどのように行われているのかを知的好奇心から知りたい人は、このような丁寧で繊細な観察を積み重ねた本から読み始めることこそが大切だと思います。
 
 重たい問題を軽いタッチの文体で書きながら、一般の人にも身近な感覚で読めるように仕上げているところ、それでいて重要なポイントもしっかりつかまえているところはかなり評価できるところだと思います。異なる世界に生きる隣人についての良質のエスノグラフィーの成果としても読める秀作だと思います。中国関連の面白いノンフィクション作品を読みたいと思っている人にもお薦めです。
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By hopino
形式:文庫
本書は、中国共産党中央の機関紙「人民日報」のネット版「人民網」に
1年間出向していた日本人記者の体験記です。著者は翻訳業務のかたわら、
党が設定した言論の自由の許容範囲を垣間見ています。その体験談が本書の見どころです。

人民日報群衆工作部の話はなかなか興味深いです。
著者は人民日報にやってきた農民から直訴状を受け取り、職場で吊るしあげられたものの、
群衆工作部での取材の機会を思わず得ることになります。
受付事務所では興奮で収まりのつかない申請者を目の当たりにし、
職員からは年間20万件近い直訴状の0.4%が人民日報の読者投稿欄に掲載され、
社会の安定を脅かす情報は内部参考として党・政府にまわされることを聞き取ります。

また実務的な話も有益でした。例えば、中国のニュースサイトの多くは
無料ニュース交換協定を相互に締結しており、記者は記事のノルマ数を転載で稼ぎます。
私が目を通す新聞記事は他紙に転載されてばかりなので気になっていましたが、
その疑問が氷解しました。

とはいえ、体験談も行き過ぎると、「インターネットと中国共産党」という主題を掲げた
本書には蛇足といえるのではないでしょうか。愛国教育基地や貧困地域の部分においては、
資料読解や関係者へのヒアリングなどの掘り下げた分析や著者独自の発見に乏しく、
表面をなでただけの内容に「いまさら感」を覚えます。
党と宣伝の問題を追究することは容易ではありませんが、
著者はいま中国にどっぷりつかって取材されているようです。次回作も期待しましょう。
このレビューは参考になりましたか?
By naichi トップ500レビュアー
形式:文庫
本書は、中国共産党の機関紙「人民日報」のインターネット部門「人民網」に人事交流で派遣された新聞記者の日々を綴ったノンフィクションである。著者は北海道新聞の記者、終戦60周年にあたる2005年に開始した赴任中には、小泉元首相の靖国参拝、在上海の日本総領事館職員の自殺など、日中関係を震撼させるような出来事もおこる。しかし、著者は”あいまいさ”を許容する東洋的なアプローチで立ち回り、伏魔殿とも形容される組織の実態を、実にフラットな視線で描いている。

◆本書の目次
・序章  北京到着
・第一章 「人民網」のなかへ
・第二章 急成長する中国ネット社会
・第三章 規制の実態
・第四章 ”温度差”を感じながら
・第五章 発展のかげに
・第六章 人民とは誰のことか
・終章  建国六十周年の北京から

グレートファイアーウォールと呼ばれ、中国全土を覆う検閲システムはあまりにも有名だが、人民網においても、掲示板システムのようなインタラクティブ・コンテンツを運用する際には、検閲ソフトを使用しているとのこと。また、版主と呼ばれる監督役の職員もおり、発言の削除やときには議論に参加したりもするようである。さながら、言論統制のためのGoogleとFacebookといった感じであろうか。

しかし、これらの”有形のファイアーウォール”より根深いと思われるのは、情報発信する側の心の中に潜む”無形のファイアーウォール”であろう。何せ、著者が赴任した「人民網」というのは、中国共産党の中央宣伝部の管轄にあるのだ。中国という国家をクライアントに持つ広告会社が、報道というキャンペーンを行っているようなものである。国のPRという目的の前には、台湾、チベット、天安門、著作権、貧富の格差、教育の問題などは、ことごとく”無形のファイファーウォール”に引っかかってしまう。

ただし、目的こそ違えど、同じようなことが日本に全くないかというと、そんなこともないだろう。いわゆるタブーやアンタッチャブルと呼ばれるようなことだ。ピンとこない方は、Googleで”報道におけるタブー”とでも検索してみるとよいと思う。つまり本書を、隣の国の話と思って読まない方が良い。そうすれば、我々の心の中に潜む”無形のファイアーウォール”を実感することができるだろう。モノゴトを真っ直ぐに見るとは、実に難しいことなのである。
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