東京大学大学院情報学環教授 田中明彦による推薦文
本書は、感情的な反日、反米の激烈な議論にみえる表層の下に、現代中国特有の民主を求める声、政府に対する要求、理性的な国際認識などが、矛盾を抱えつつも深層として存在していることを示している。本書はまた、論争的な本でもある。著者は、対外言論こそが中国社会における最も活発な社会的言論であることに着目し、そこから中国社会における公共圏の問題に挑戦している。ネット上での言論は、中国に「ネット公共圏」を生み出しているのか。ネット公共圏分析のための概念枠組みを自ら提示したうえで、議論を組み立てている本書は、また中国における公共圏論争にも一石を投じることになろう。
祁景
(Qi Jingying)
2007年3月東京大学大学院学際情報学環博士課程修了。学際情報学博士。
主要著書:『中国のインターネットにおける対日言論分析』(日本僑報社2004年)、『メディア・ナショナリズムのゆくえ』(共著、朝日新聞社2006年)
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