単体でも読めなくはないと思うが、「エンブリオ」の続編である。
何というか、帚木氏は基本的に「良心」の人なのだ。「エンブリオ」で見事に医療の影の部分を描き切った、やったねと思っていたのが、ご本人は、やはりそのままでは後味が悪いらしい。本書はそういう「良心」から書かれたもののように感じた。
タイトルになった「インターセックス」の扱いについては、さすがにお医者様だけのことはあり、納得のいく書き方がされている。ただ、私はそれなりの知識があったのでスムーズに読めたが、こういう方々の存在を知らないと、多少、専門用語に戸惑うかもしれない。(文章自体は平易だ)
さらに蛇足を承知で書けば、帯にある「世界初のテーマに挑む」は言い過ぎだろう。当事者の方たちの著書が随分出ているし、マンガもあるし。でも、この作品で「インターセックス」というものについての理解が深まるのはいいことだと思うので、星は四つ。