麻薬の魔手から療養所へ。やがてジョー・パスの苦闘に
終止符がおかれたのは1960年台のことであった。
34歳にしてダウン・ビート誌の新人ギタリスト賞に輝き、
以後、ツイン・ギターカルテットの形式で活動を続ける。
「キャッチ・ミー」「ジョイ・スプリング」に続いて、
1964年に録音された「フォー・ジャンゴ」ではジャンゴ・
ラインハルトへの追悼アルバムとして決定的な評価を得た。
その後1970年代に入ると米国を後にして西欧に渡る。
パシフィックレコードからMPSレコードへ地盤を移して
渡欧後最初に録音した初のトリオアルバムが本作である。
やがて1973年の「ヴァーチュオーゾ#1」に始まる
11作ものソロギターアルバムを残し、ソロギターの
代名詞としてその名を欲しいままにすることになる
ジョー・パス。このアルバムはそのコンボとしての集大成
をなすアルバムと言っても過言ではないだろう。
また、リズムギターを減らしたことが後のソロギター
への布石となっていると考えてもおかしくないだろう。
ベースのエバーハルト・ウェーバーもドラムのケニー・クレアも
ジョー・パスのギターを静かに支えることに徹している。
このままベースとドラムの音を消してもギターソロアルバム
として成立しかねないようなギター色の強いアルバム。
しかし、ジョー・パスのギター自身がでしゃばるようなもの
でないことから非常に穏やかで心地良いとなっている。
Joe Pass : guitar
Eberhard Weber : bass Kenny Clare : drums