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前段では、インタビューに向かうまでの下準備からはじまり、話し手からどうやっておもしろい話を聞き出し、そしてどのように再構成して形にするかなど、インタビューする側からのテクニックを指南する。また、後段では、さまざまなインタビュー本を取り上げ、語り手と聞き手の思惑、読み手の好奇心を交錯させながら、インタビューを読むおもしろさに迫っていく。
「しょせんインタビューは虚構だ」と著者は言う。話し手の言葉は発表するスペースが限られているから100%生かされる訳ではないし、編集という作業の中で話の流れや言葉尻まで変えられてしまう。だからこそインタビューする側は話し手の本質を伝える技量を磨かなければいけないし、読み手もそのことを認識する必要があると著者は繰り返し説く。
私たちは日常でさまざまな人間と接し、そこで見聞きしたことをまた違う人に伝えている。日々がインタビューの連続のようなものだ。そして悪意や善意によって対象の本質が歪められて伝えられてしまうことも多々ある。ウワサ話などはそのいい例だろう。そう考えると、本書は人と人とのコミュニケーションを見直すきっかけにもなるかもしれない。(斉木 厳)
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34 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「読むための」インタビュー術,
By カスタマー
レビュー対象商品: インタビュー術! (講談社現代新書) (新書)
フリーライターである著者が、インタビューの準備・取材・編集のやり方から、インタビューの読み方までを紹介している。文字数など限られたスペースの中で、インタビューアーは読者に伝えたいことをどのように選び出し、並べ替えるのかなど著者の実体験や他者のインタビュー記事の批評などを織り交ぜつつ説明しており、インタビュー記事を読む際の切り口を提供してくれている。 本書の内容は、インタビューをどのようにやるかという実践的な手法を紹介しているというよりは、「読むための」前提知識としてのインタビュー術解説の色彩が強い。前者を期待して読んでいたため、少々不満が残ったが、後者を期待する読者には有意義な作品ではないだろうか。
4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
インタビュー記事を、犬が骨にむしゃぶりつくかのように味わいつくすことのすすめ,
By
レビュー対象商品: インタビュー術! (講談社現代新書) (新書)
かつて「噂の真相」の超人列伝で幾多の著名人にインタビューをしてきた、いわばインタビューのやり手としても読み手としても「達人」の永江朗が嘆 くのは、昨今のインタビュー記事の体たらくである。彼がいうように最近の インタビュー、特に特定の映画やドラマの宣伝を目的として出演者になされ たそれや、グラビアの添え書きのごとく成り下がったそれは、インタビュイー (インタビューされる人)についてすでに知られているようなことをなぞってい たりするだけ。それは事務所の力などいわゆる“大人の事情”によるところ が多いのだけれど、昔からインタビューを読みまくってきた著者はいう。イン タビューにはもっとおもしろく、可能性があるものなのだと断言する。 本書『インタビュー術!』が教唆するのはずばり、インタビューの仕方とインタ ビュー記事の読み方・楽しみ方である。インタビューの仕方の箇所においては、 録音機材には何を使うべきかや、寡黙な相手からはどのように話を引き出す のか、さらにはNG事項が設定された場合に直球で聞かずにいかに遠回しに それに迫るかなど、きわめてアクチュアルなアドバイスが並ぶ。評者は今のと ころ誰かにインタビューする予定もされる予定もまるでないが、インタビュー素 材の文字お越しや、またそれを記事にするにあたってどのようなやり方がある のかというのを、著者自身が実際に書いた記事を参考に教授されると、いやが おうにも興味をそそられる。そして不思議とインタビューを誰かにしたくなってくる。 しかし驚いたのは最終章である。そこではこの著者が系統別、タイプ別にこれま で読んできたいろいろなインタビュー本、対談本を紹介するのだが、やはりインタ ビューを生業にしているからこそなのだろうか、一般の人のインタビューの読みよ り段違いに読みが深いのである。真理は語尾にやどるとまで言う著者は、引用し ながらいろいろな人のコトバから、例えばインタビュアーとインタビュイーの関係だっ たり、そういった言外に零れ落ちた情報を拾おうとしている。もちろんそれは、著者 の推測でしかないが、単なる推測とは片付けれないリアリティもあり、それはやは り生のインタビューを手がけていた者だけが持てる想像力のような気がした。 なぜ吉田豪がすごいのかも解説してくれる、「インタビューそのもの」に興味ある人、 必読の書。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
インタビュー術とは聞き手と話し手の・・・。,
By 永久機関∞ (神戸市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: インタビュー術! (講談社現代新書) (新書)
「インタビューがわかれば、世界がわかる。」という冒頭の文が目に飛び込んできて、本書を手に取った。 「ピーコ伝」(聞き手糸井重里氏)や「江夏の21球」(山際淳司氏) を例にとりながら、あたかも写真家が被写体とレンズワークに こだわる様に、細部に渡りインタビューを通して全体構成を描く 姿勢は、一般の社会人の業務にも共通性を感じるのである。 完璧主義であるマイルス・デイビスの「観客に対する不機嫌さ」 や「人種差別」を質問する、アレックス・ヘイリー。 その後、マルコムXをインタビューする。 読者は、読み進むにつれて、理解するのである。たとえ小さな 出会い(インタビュー)であっても、人々は影響を受け、成長 してゆくんだという事を。 とても有意義で充実したおすすめの一冊である。
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