公開前はトム・クルーズの出演とあって鳴り物入りで宣伝されたが、ふたを開けてみると話題ほどのことはなく多くの失望を買った。吸血鬼のルイ(ブラッド・ピット)が記者のインタビューに答える。職業はヴァンパイアであると。そして、1,791年の過去にさかのぼって吸血鬼の苦悩を語る。ストーリーは盛りだくさんというか散漫で一貫性がなく冗舌だ。
メーキャップは伝統的な吸血鬼ではなく、日中は屋外に出ることができないのと顔が青白いことをのぞけば、外見はふつうの人間とかわらない。ルイはレスタト(トム・クルーズ)によって吸血鬼にされる。ルイは妻に先立たれて死にたがっていたときに吸血鬼のレスタトが現れたのだった。しかし、吸血鬼になったルイは人間の心を失っていない。ここから彼の苦悩が始まる。人間の血を吸うことができないルイは鶏やネズミの血を吸って生き延びる。
ルイとレスタトの愛や悩みや吸血鬼の美学について語る会話が高度に?哲学的でわかりにくい。ストーリーの展開から必然的に導きだされるものでなく、はじめに意味深な言葉ありきで唐突だからストーリーと結びついていない。
インタビュアーがドラキュラ伯爵に会ったかを聞くと、ルイは「あれは低俗な作り話だ」と答えるが、これはおかしい。ドラキュラがフィクションであることはみんな知っている。しかし、低俗ではない。自作が低俗なのを棚に上げてホラーの傑作をこきおろしている。