連続殺人事件「グリーン・リバー事件」に行き詰まった若き刑事ライカートは、10年前にシリアルキラー「テッド・バンディ」を逮捕した経験のある犯罪学者ボブ・ケッペルに協力を求める。そのケッペルに、死刑を目前に控えた「テッド・バンディ」が捜査に協力したいと申し出て来る。この2件とも実在の事件。「死刑囚がシリアルキラー事件解決に協力した」事実、これが「羊たちの沈黙」の原点といわれる所以。
多くの未解決部分がある「テッド・バンディ事件」。テッド・バンディは自分の存在価値を認めてもらうことで、目前に迫っている死刑から免れるか延長を期待した。一方捜査官ケッペルには、未解決部をなんとか自供させたい思いがあった。ケッペルは自分の精神バランスを辛うじて保ちながらテッド・バンディに対峙する。派手なシーンは一切無い。この2人の白熱の心理戦が見せ場であり、見所。
一見本筋に見えた「グリーン・リバー事件」は脇役で、「テッド・バンディ事件」が本筋の物語りであった。「グリーン・リバー事件」そのものは、最初の遺体発見から20年後、最新科学捜査方法のDNA鑑定によりやっと解決を見る。この事実は本作の最後にナレーションでも語られる。