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1980年生まれ、宮崎県出身。中学時代に聴いたカーペンターズに魅了されて歌い始めたという女性シンガーソングライター、鬼束ちひろのファーストアルバム。ピアノの音色と、太くスピリチュアルな歌声で、苦しくてせつない思いをつづったセカンドシングル<1>や、明るいカントリー調の<5>、そばにある幸せを確認する第5弾シングル<10>と、さまざまな表情を見せてくれる。ダイナミックなヴォーカル、裏も表も隠さないストレートな表現の歌詞に、自然と心が掴まれてしまう。(宮原亜矢)
内容(「CDジャーナル」データベースより)
2000年2月にデビューしたばかりとは思えない、圧倒的な存在感を放つ女性シンガーのファースト・アルバム。聴き手の琴線に触れるエモーショナルな歌が詰まっている。「月光」ほかシングル4作収録。
内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
生ピアノと生弦、でもって透明感のある声。とくれば昨今流行のリラクゼーションものコンピの流れに位置づけてもいいわけである。が、この人の場合は、そんな癒しサウンドを異化させる毒気と自信を含んだ歌詞が重要だ。毒をもって苦を制す、か。「月光」の“腐敗した世界”、「BACK DOOR」の“鉛の重さ”といった言葉。そうして「月光」では“私は神の子”と高らかに言い切る。現実世界との違和感という定番の主題をめそめそ愚痴愚痴とではなく堂々と哲学的に歌っているわけだが、彼女の、左手で指揮をとるような唯我独尊的歌いぶりや眉間のしわなどを見ていると、アンタそんなに、独りで世界を背負い込んで苦悩せんでも、と70年代のめそ愚痴ニューミュージックで青春時代を過ごした筆者などは思ってしまうのだ。ものすごく美味いあんころ餅ひとつ口に入れるだけで大抵の苦悩は消える、という小沢昭一の格言を進呈しておこう。アルバムとしてはキャロル・キング『つづれおり』に近い後味。 (大須賀猛) --- 2001年04月号