監督のジェームズ・ワンと言えばSAWの生みの親ですがマレーシア生まれのオーストラリア育ち。
同じアジア系のクリエイターでジェームズ・ウォン(こちらはファイナル・デスティネーションのクリエイター)も活躍中。
アメリカンホラー映画界ではボータレス化が進んでますねぇ。
本作を見て想起したのはS・ライミの「スペル」と80sの代表作「ポルターガイスト」。
特に物語的にはほぼ「ポルターガイスト」を倣った内容になっています。
新居に引っ越してきた家族が異変に襲われ、幼い息子に危機が及ぶという点もほぼ同じ。
心霊分野の専門家が出てきたり、息子の魂を救うべく異界に赴く親の活躍も同様。
しかし80sの名作がSFXを駆使した「特撮ショー」を目玉としていたのに対して本作のアプローチは至ってシリアスです。
そして、このシリアス加減こそが本作の最大の魅力。
それは観客を怖がらせてやろうという「やる気」の表れでもあるわけです。
と言っても生理的な嫌悪感でごまかすようなシーンはほとんど出てきません(人もほとんど死にません)。
その点だけでも本作を評価したくなりました。
光や影、音、視線の揺らぎ、タイミングのずらし方。
それだけで「ちゃんとコワい」。
それこそ昔は技術やバジェット面での束縛があったおかげでこうした演出でカバーするしかなかった訳です。
ところが、昨今ではCGの導入によって「なんでも見せてやろう」という傾向に拍車がかかったわけで逆につまんなくなりましたね。
本作ではあえてそうした過剰なショーアップは封印し、演出と雰囲気で「怖がらせてやるぜ」というやる気が感じられてちょっと贔屓したくなりました。
そういう意味で本作は久しぶりの「本格ホラー」といって良い作品だと思います。