本書のメインである第2、3章は、インコース打ちの名人(山内一弘・長池徳士・広岡達郎)、現役選手(鈴木尚典・和田一浩)、コーチ(荒井幸雄・新井宏昌・内田順三)を訪ねる旅となっている。その中で、青田昇やイチロー、落合、青木などの名だたるインコース打ちの名手も登場してくる。
「ステップする時、左腰を開くな」「バットは振り出すんじゃなくて、引っ張り出せ」という青田昇氏の極意など、参考になるフレーズ満載である。
しかし、山内氏が「言葉の受け取り方は選手それぞれ」として、自身の内角打ちの免許皆伝のバッターを育てることができなかったように、本書のフレーズを自分のイメージに、また実際のスイングに落とし込むことは、至難の業といえる。
また、「究極の打撃理論」を掲げながら、「センス」「天性」「腕の柔らかさ」で、にごす部分(そうせざるを得ない)が、感じられた点は、やや消化不良気味であった。
第5章 高岡英夫氏による「運動科学による分析」の中の「腰をずらす」については、手塚一志氏の「骨盤分離」と共通しており、大変興味深かった。