内容紹介
日本のアニメーションに多大な影響を与えた、
貴重なロシアアニメーションの傑作2 作品がついに登場!
三鷹の森ジブリ美術館ライブラリー提供作品
『イワンと仔馬&灰色首の野がも』
『イワンと仔馬』の原作はピョートル・エルショフの民話「せむしのこうま」(1834)。ロシアでは何度も出版され、愛され続けている童話で、原語版における言葉の韻を踏んだ詩のような独特のリズムが映画のセリフに生かされ、ロシア語の美しい響きが味わえます。また、哀愁漂うロシア民謡を思わせる音楽も特徴的で、火の鳥とイワンのダンスにはロシアの伝統的民族舞踊も取り入れられています。ビジュアル面でも、社会主義リアリズムを源流とする漫画的でない誇張を抑えたリアルな動き、浮世絵を思わせる輪郭線や平面を生かした淡彩風背景、ロシア民衆の伝統絵画を取り入れた飾り枠、ロシア独特のイコン(聖像画)様式を生かした場面など、随所にロシア独特といえる魅力を持っています。
そして、不思議な白馬のたてがみの光のまばゆさや火の烏が放つ光の輝きが美しく、印象深いものとなっています。さらに、善良なイワンが実直に生きて幸せになるという物語にはロシア民衆の普遍的な願いが投影され、大地に春を呼ぶ幕切れのシーンには長い冬の中で春を待つ国に生きる人々の想いが込められているとも言えます。
『灰色首の野がも』もまた、鴨のモブシーンで丹念に描かれた動き、渋く抑えた色調の美術、水面に映る影の細やかな描写などは、スタッフたちがディズニーとの技術の差を埋めようと研鑽してきた成果であり、シベリアの荒涼とした空、凍てつく水面から立ち上る水蒸気、降り積もる雪、樹氷の輝きといった厳しい冬の自然描写は、ロシア作品ならではと言えます。さらに、全体に漂う素朴で情緒的なムード、弱く小さな者同士が助け合うといった道徳性、春の訪れがドラマを盛り上げる展開など、随所に「ロシア的」なものを感じさせる作品です。
世界各地で公開された『イワンと仔馬』は、あまりの人気に大量のプリントが作られたためオリジナル・ネガが劣化し、半ば幻の作品となっていましたがロシアの国立フィルム保存所(ゴスフィルムフォンド)で一コマーコマに対する手作業で気の遠くなるような年月をかけて修復が行われ オリジナル版の色彩や光の表現が現在によみがえりました。
また、ジブリ美術館ライブラリー作品としてDVD化するにあたり、スタジオジブリが翻訳を全面的に見直し、≪新訳版≫を作成しました。
60年以上の歳月を経て新たに甦る幻の傑作を、この機会にぜひお楽しみください。
<収録内容>
1. イワンと仔馬(本編:約57分)
2. 灰色首の野がも(本編:約20分)
内容(「キネマ旬報社」データベースより)
日本のアニメーションに影響を与えたロシアアニメーション2作品をDVD化。皆から馬鹿にされているイワン少年と、不思議な仔馬の出会いと奇跡を描く、イワン・イワノフ=ワノー監督による『イワンと仔馬』と同時期に制作された『灰色首の野がも』を収録。