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冒頭の短編を一読後すぐにあれっ?と感じて、最終章「約束の川」を読み終って、ヘミングウェイのニックアダムズの釣りシリーズとの下記のような相関性に気付きました。
1. ヴィジュアルな(映画を見ているような)イメージを投影する
2. 段取りや道具について具体的詳細を徹底的に記述する
3. 会話が極端に短いのに、(例えば、「仕方ねえだよ。」のひと言で)どんぴしゃりと全てを表現
4. 主人公の内観にいつの間にか感情移入して100%納得して共感してしまう。
5. 胸が痛むほど懐かしくて切ない。子供時代への郷愁に似た物であって、ヘミングウェイのように病的で重苦しくないのも救い。
著者の湯川氏は小説家というよりは植村直巳のサポーターとかジャーナリスト的な経歴の方のようですが、この作品に関しては並外れたストーリーテラーぶりを発揮しています。
少しでも釣りをしたことのある人ならば、「約束の川」のデジャビュ感覚を味わうことができるでしょう。釣りをまだ知らないけど理解したい人には、「夜のイワナ」は釣師の驚くべき生態と釣りバカの底抜けのバカさ加減を理解するヒントとなると思います。
こんなに素敵な国産釣り文学短編集ならもっと沢山読みたい!
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