1988年に情報センター出版局から出たものの文庫化。
イワシ、アジ、サバといった大衆魚は周期を持って増減を繰り返している。たとえば、十数年前にはイワシが豊漁だったが、現在ではあまり獲れなくなっている。これは人間が獲りすぎたとか、海洋汚染のせいではなく、「魚種交替」という自然のメカニズムによるものなのである。その仕組みを明らかにしてくれるのが本書である。
プランクトンと稚魚の関係や、具体的なデータの提示など説得力のある議論が展開され、納得させられる。非常に自負の強い文章で、持論にいかに自信を持っているかが伝わってくる。
ただ、河井氏の議論が正解なのかどうかは現在でも不明である。魚種交替という考え方は正しいとされているが、詳細はいろいろと異論があるようである。