イロブンとは「色物文具」,すなわち,文具という実用品であるにもかかわらず,何か独創的すぎる創意工夫が加えられてしまったために,多くはろくに使えないにもかかわらず,独特な馬鹿馬鹿しいオーラを放つようになった文具のことです。例えばそれは,ライター付きのホッチキスであったり,ホイッスル付きのペンであったり,戦闘機の形をしたハサミであったり,ファラ・フォーセットの首の形をした鉛筆キャップであったりします。この本にはそのような貴重な(実際,ロングセラーというのがほとんどなく、出たと思ったら消えてしまうのも「イロブン」の特徴のようです)「イロブン」が,百何十点,美麗な写真と見事な説明文とともに紹介されています。笑えます。
この本に掲載されている「サカモト文具」(イロブンのトップメーカー)の人たちのインタビューに,いい言葉がありました。「真面目に子供だまし」。身も蓋もない。でも「イロブン」を実に的確に表現した言葉です。確かに,こういうものはだまされて楽しんだもの勝ちのような気もしますね。こういうものを考えて作って売る人がいて,それを買って楽しむ人がいるという文具の文化というのもなかなか奥深いものです。