輝かしいばかりの艶やかな声に聴き惚れています。神のようなパフォーマーと名付けられたイル・ディーヴォの魅力を余すところなく堪能できるデビュー・アルバムです。
アメリカ、フランス、スイス、スペイン出身というメンバーが織りなす声の重なりは、それぞれの出自同様、多様で多彩な魅力に包まれています。
正統派のベルカント唱法を身につけていながら押さえた発声は、誰にも聞きやすく受け入れられるでしょう。オペラの勉強をしていたメンバーも地声を効果的に生かしていますので、どの音楽ジャンルの愛好家からも愛されるものだと思います。ちょうどミュージカル歌手の発声に近いのかもしれませんが、高音の豊かな響きは格別です。
このあたりの声域は訓練のたまものですし、一朝一夕に身につけることはできない領域でしょう。特にハスキーヴォイスからスタートして、力強さを増した時に、より豊かな響きの発声へともっていくところがゾクッとくる瞬間かもしれません。
サラ・ブライトマンの歌唱で聴きなれている「ネッラ・ファンタジア」もその透明感のある、抜けるような高音の冴えはとても神々しく、心地よさを同時に感じ取りました。量感あふれる4人の重唱は、リスナーを圧倒させるものがあります。
他の収録曲のいずれも美しいメロディとハーモニーで彩られています。一人の声でも十分満足できるわけなのに、それが重層的に折り重なるわけですから、迫力の点でも感動の点でも、強烈な印象を残すのは当然と言えるでしょう。
リーフレットにあるように、David Miller、Sebastien Izambard、Urs Buhler、Carlos Marinのルックスも抜群です。世界中の優秀な歌手をオーディションで集めただけのことは見栄えの点でも十分確認できました。天は二物を与えたわけです。