シルヴァン・ショメ作品ということで購入しました。
ジャック・タチ作品のアニメ化ということで、のほほんとした物語を期待していたのですが、
予想に反し、実に物哀しい、しかし心に確実に刻み込まれる結末でした。
決してハッピーエンドではありませんが、たった80分の尺に、
ショメ監督の持ち味である丁寧なアニメ作りと、ジャック・タチらしい、
ささやかな微笑みを誘うコメディが見事に融合され、
時代に取り残されたマジシャンの悲哀が美しく表されています。
何もかもがあまりにも切ないストーリー展開です。
老手品師と少女の、寂しい「出会い」と「別れ」が込められています。
追記:ここからストーリーの解釈に関するネタバレ注意
単に物寂しい手品師の末路を描いたものとばかり思っていましたが、
「出して(買って)もらったものを忘れ、新しいものを次々おねだりするアリス」
とは
「新しいものが次々生まれ、古いものが忘れされていく現代」
を象徴していたものだったんですね・・・
忘れ去られた貧乏手品師に引導を渡す比喩として、
これほど残酷で、物寂しい「イリュージョン」もないでしょう・・・
主人公自らの人生をも幕を閉じて繰り出される、「最後の手品」をご覧あれ。