絵本仕立てのガイドブックなので軽い内容かと思いきや、むしろ内容は重厚。
それはあとがきの「デジタルの時代に、あえてアナログな手書きのイラストで、見開いたページにすべての情報が見つかるような本にしようと試みた」という言葉に表されていると思う。
色鉛筆で描かれたイラストと手書き文字は、最初に見るとき、少しのコツがいるかもしれない。
でも3Dブックのように一度コツを覚えると、急に情報が立体的に立ち上がる。
ガイドブックの中にいる友達のような登場人物が、大事なポイントでコメントしてくれる。特に美術館、博物館内のコメントは、美術に対する著者の深い造詣を感じる。全て見て回ったら膨大な時間のかかる美術館巡りがコンパクトに回れるように工夫されて載っているのは、おそらく著者が十数年の暮らしの中で美術館に何十回、何百回と足を運んでいるのだろう。
同じようにこの本を参考にして、ユニオンスクエアやソーホー、チェルシー、コロンバス・サークルなどにあるギャラリーやセンスの良い店を地元の人のように効率よく見て回る事が出来る。
食事の情報にしても、旅先ならではの豪華なレストランだけでなく、短時間に済ませられて気軽に一人で入れるカフェなども載っている。
この本は初めてのNY一人旅にも向いているが、仕事でNYに出張の際、隙間の時間を埋めたいとか、せっかくだから自費でもう一泊して遊んで行こうという時にも使えると思う。
お土産は著者おすすめの「見逃せないお店」で、手軽でセンスの良い香辛料や雑貨、文房具などを買って帰れば、おそらくほとんどの女性から感謝されるだろう。
旬な写真で見るガイドブックは新鮮な情報を効率よく伝えられるが、少し時間が経ってしまうととても古い情報という印象になってしまう。その点、このように絵で表現するとピンポイントの時間より幅を感じて、むしろいつまでも新鮮に感じる。そういう意味でも、単なるガイドブックではない楽しみ方が出来る本だと思う。