一応ヒーロー、ポラットが活躍するという内容だが、そういう点では失敗している。
この男、度胸はあるが、敵にウラをかかれたり、準備不足だったりと意外に活躍していない。最後はしっかり戦ってくれるが、そことても機略で相手を倒すとかスカッとする演出にはなってない。
しかし、今の中東情勢を考える上ではなかなかのものだ。プロパガンダ云々されているが、アメリカ側の悪役・サムがキリスト教原理主義者で、実際にイラクで展開している傭兵会社「ブラックウォーター」のボスを思わせるキャラクターになっているし、彼らの行動を制止しようとしたアメリカ兵が殺されたりする場面などで「グエムル」なみの釣り合い(アメリカへの)は取っている。自爆テロに走る人間たちの描き方もリアルだし、イラク戦争は石油のための戦争でなく、あくまで宗教戦争としているのが面白い。つまりは経典の民、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の確執の物語としていうわけである。
アクションはクライマックスで「RPG」ががんがん飛ぶ銃撃戦で、これは迫力たっぷり。ああいう武器がこう使われるのかと感心をも。自爆テロのすさまじさも壮絶そのものだ。ただ意外に取っ組み合いの演出が弱い。
欠点はたしかにある。しかしそんなに言われるほど観て「反米」を感じたりはしない。今の注等状況のむずかしさを「娯楽」の形で公開した映画としては大いに注目すべき一本だ。