敢えて家族と供に自らを脱走兵という極限のExileに置いたジョシュア・キー、その語りを文章にし得たローレンス・ヒル、そして何よりもこの本を(ということはイラクの現場で起きている現実を)日本に紹介する決断をした訳者の慧眼に対し、最大限の敬意を表します。もちろん、知識人(=E.サイードのいう現在の社会体制を批判・評価する責任がある人達)にとって更に続けていかなければいけないことが沢山あると思います。ここで書かれている現実の検証、世界の他の現場でも起きていることの直視、こうした不条理の連鎖に通底するものは何かを考察し、では私たちはどうすればいいのかを発言し実践していくこと。厳しく辛い内容の本ですが、この世界を、そして自分の身の周りを少しでも善きものにしていこうと考える人たちにとって重要な示唆を与えてくれる本でもあると思います。